実印・銀行印・角印・ゴム印
代表者印(実印)
会社設立時には会社の印鑑が必要となります。法人では会社設立の手続きである「登記申請」において会社の実印が必要になり、その会社実印により印鑑証明を取得します。法人印の中でも、最も重要な役割を果たすのが代表者印です。代表者印は、会社設立の際に登記申請書に捺印し、代表取締役が会社設立登記時に登録する印鑑になります。
代表印の丸型は通常二重円となり、内円には「代表取締役印」とするのが一般的で、外円には屋号が配置されます。(合同会社の場合、円内は「代表社員之印」などとなります)
法務局に登録する代表者印には規定があり、辺の長さが10mmを超え、30mm以内の正方形の中に収まるものとされていて、一般的には18mm・21mmのものが主流で、18mmで作成する場合が多いです。
銀行印
銀行印は、法人口座の開設時に用いる印鑑です。一般的に、銀行印は実印よりも一回り小さいサイズで作成されることが多いです。実印との誤用を避けるためにも、サイズを変えておくのが良いでしょう。
銀行印の丸型は通常二重円となり、内円には「銀行之印」外円には屋号が配置されます。
一般的には16.5mm・18mmのものが主流で、16.5mmで作成する場合が多いです。
角印
角印は、 主に請求書や領収書などに押印する場面が多い印鑑となります。一般的には公共機関に届け出を行わないため、株式取引や不動産取引などの重要な契約には使用せず、認印として使用します。
一般的には21mm・24mmのものが主流で、21mmで作成する場合が多いです。
ゴム印
実印・銀行印・角印の彫刻印とあわせて用意したいのはゴム印です。屋号・住所・電話番号・代表者名のゴム印を使用する場面は多く、請求書・領収書の他にも、各種手続きの際に手書きの代わりに使用するなど、用意しておくと大変便利です。
法人の印鑑登録
印鑑登録
法人の印鑑登録とは、特定の印鑑(印影)を公的機関へ届出し登録する制度です。そうすることでその印鑑が会社の「実印」として法的な効力を持つこととなります。
法人を設立する場合、本店の所在地を管轄する法務局で法人登記手続きをする際の必要書類に「印鑑届出書」がありますので、あわせて提出し印鑑登録を行います。
管轄は東京法務局でご確認下さい。
法人の印鑑登録で必要なもの
法人の印鑑を登録する際は、代表者個人の実印も必要となります。実印をお持ちでない場合は、法人印鑑登録の前に個人の印鑑登録をあらかじめ済ませておく必要があります。
- 会社実印となる印鑑
- 代表者の実印(個人の印鑑登録したもの)
- 代表者本人の印鑑証明書(発行から3カ月以内)
- 印鑑届出書
- 印鑑カード交付申請書(法人番号ができてから)
「印鑑カード交付申請書」は、印鑑証明書を取得する際に必要となる「印鑑カード」をもらうために必要な書類です。法人番号が必要となりますので、登記が完了し印鑑登録ができてからの申請となります。
印鑑証明書が必要な時にすぐ交付を申請できるように、法人を設立したら早めに印鑑カードを発行しておくことをお勧めします。
印鑑登録から印鑑カード取得の流れ
代表者印(会社実印)となる印鑑を作成する。この時、銀行印・角印・ゴム印もまとめて作成しておくことをオススメします。
❷で記入・押印した「印鑑届出書」を管轄の法務局へ提出する。提出は、登記申請の際に法務局で一緒に手続きを済ませるのが一般的となります。
印鑑カードを取得する場合は、印鑑の届出を行なった法務局で手続きをし、即日受け取る事ができます。
窓口以外にも郵送でも申請する事ができ、印鑑カードの交付申請が適切に行われると、法務局から印鑑カードが送付されます。印鑑カード交付申請書は、法務省のサイトからダウンロードする事ができます。
申請に必要なものは下記のとおりです。
- 印鑑カード交付申請書
- 会社実印(❸で届出た印鑑)
- 郵送申請する場合:返信用封筒・切手(大切なものなので、簡易書留封筒が望ましいです)
法人の口座開設
口座開設時に必要なもの
法人の口座開設には個人の開設よりも審査が厳しいせいか、2週間〜4週間の時間を要する場合も多く、会社設立後にはなるべく早く手続きすることをお勧めします。
- 法人の印鑑登録証明書(発行日から6か月以内)
- 履歴事項全部証明書(発行日から6か月以内)
- 建物謄本もしくは賃貸借契約書(Webでの申込の場合必須です)
- お手続者の本人確認書類
- 主たる事業の許認可証(有効期限内のもの。 ただし、許認可が不要な事業の場合は不要です)
※必要書類は、開設したい金融機関で事前に確認しておくようにしましょう。
あると便利なゴム印
需要のあるゴム印
ゴム印は、住所印の他にもあると便利なものが沢山あります。「手書きが面倒!」と感じる方も多いので、必要なものはゴム印で作成しておくと役立ちます。
- 氏名印:従業員の氏名印等
- 科目印:経理に使う科目印
- 角 印:角印は彫刻印の他に、ゴム印で代用することも出来ます
- 振込口座:お客様に振込先をお知らせする場面がある場合、1台作成しておくと便利です
- 登録番号:インボイス制度により、領収書・請求書等には必須です
- のし袋用:会社でご祝儀・ご香典等を包む際に、会社名と代表名の入ったゴム印を作成しておくと、いざという時にとても便利です
- 取引先の屋号:取引をしている相手方の屋号をゴム印にしておくと、手書きの請求書・領収書を発行する際に便利です
- 病名や薬の名前:医療関係等の書類やカルテなどに役立ちます
- 契約書等に必要な文言:不動産業など、お客様との契約書に「ここに実印を」などと付箋に押し、その付箋を貼るなど、よく使う文言をゴム印で作成しておくと、都度手書きをする必要がなくなります
- データ印:日付を回して変えられるスタンプで、受領・領収などで使う場面が多いです
その他、文字のみならず枠付きのものなど、ゴム印は用途にあわせて作成しておくと便利です。
特に毎日・毎月使用するものは、ゴム印を用意しておくと重宝します。
内容により、シャチハタなどのスタンプ式で作成すると便利なものもあります。